UbuntuのUSBブートメディアを作る方法:balenaEtcherで10分で完成


この記事の想定読者

  • Ubuntuのインストール準備を進めている未経験〜初心者
  • Windowsしか使ったことがない方
  • 「USBブートメディアって何?どうやって作るの?」という方

この記事でわかること

  • USBブートメディアとは何か
  • 作成に必要なものと揃え方
  • balenaEtcherを使った作成手順(全4ステップ)
  • RufusとbalenaEtcherどちらを選ぶべきか
  • 作成後の確認方法

この記事を読む前提

  • バックアップとPCスペックの確認が済んでいる(まだの方は Ubuntuインストール前の準備 を先に確認してください)
  • USBメモリ(8GB以上)が手元にある
  • インターネットに繋がるWindowsのPCがある

Ubuntuのインストールで最初に詰まるのが「USBブートメディアの作り方」だと思います。

自分もそうでした。「ISOファイルをUSBにコピーすればいいんじゃないの?」と 最初は思っていたのですが、それでは起動できないとわかりました。 専用のソフトで書き込む必要があります。

次は「どのソフトを使えばいいか」で詰まりました。 調べると「Rufus」と「balenaEtcher」の両方が出てきます。 どちらを使えばいいのか判断できず、両方のページを行ったり来たりして 1時間近く使ってしまいました。

この記事では、その時間を省くために 「初心者はbalenaEtcherを使えばいい」という結論と理由、 そして実際の手順を順番に解説します。


USBブートメディアとは何か

「起動用のUSBメモリ」と覚えればOK

USBブートメディアとは、Ubuntuをインストールするために 「起動できる状態」に準備したUSBメモリのことです。

ブート(boot)とはコンピュータが起動することを指す言葉です。 「USBブートメディア」=「USBから起動するための準備をしたメモリ」と覚えれば十分です。

かつてはCDやDVDを使って同じことをしていましたが、今はUSBメモリが主流になっています。

なぜUSBから起動する必要があるのか

Ubuntuをインストールするとき、インストール先のPCにはまだUbuntuが入っていません。 そのため、外からインストーラー(インストールを実行するプログラム)を 持ち込む必要があります。それがUSBブートメディアの役割です。

PC本体のWindowsを起動するのではなく、USBメモリの中のUbuntuを起動して、 そこからインストール作業を進める、という流れになります。

中身は上書きされます

USBブートメディアの作成時、USBメモリの中身は完全に上書きされます。 作業前に必ず中身を確認して、大事なデータがある場合はPCや外付けHDDに移しておきましょう。


必要なものを揃える

作成前に以下の3つが揃っているか確認してください。

ISOファイル

ISOファイルとは、Ubuntuのインストールデータを1つにまとめたファイルです。 拡張子が「.iso」になっています(例:ubuntu-24.04-desktop-amd64.iso)。

Ubuntu公式サイトから無料でダウンロードできます。 バージョンは「LTS(長期サポート版)」を選ぶのが基本です。 執筆時点での最新LTSは「Ubuntu 24.04 LTS」です。

ファイルサイズは約5GBなので、ダウンロードに数分〜十数分かかります。 先にダウンロードを始めておいて、その間に次の準備を進めると効率的です。

バージョン選びで迷っている方は UbuntuのバージョンはどれがいいのかLTS版を選ぶべき理由 を先に読んでください。

USBメモリ(8GB以上)

8GB以上のUSBメモリを用意してください。16GBあれば余裕があります。 中身は上書きされるので、大事なデータが入っていないものを使うか、新しく用意しましょう。

balenaEtcher

balenaEtcher(バレナエッチャー)とは、ISOファイルをUSBメモリに書き込むための 無料ソフトです。公式サイト(etcher.balena.io)からダウンロードできます。

Windowsを使っている場合は「Windows」版のインストーラーを選んでダウンロードしてください。 ダウンロードしたファイル(.exe)をダブルクリックしてインストールします。 インストール中に「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と 出た場合は「はい」を選べばOKです。


balenaEtcherを使った作成手順

準備が整ったら、以下の手順で作業を進めてください。 書き込み時間を含めて10〜15分程度で完了します。

手順①:balenaEtcherを起動する

インストールが完了したら、balenaEtcherを起動します。 起動するとシンプルな3ステップの画面が表示されます。

左から順番に操作していきます。

手順②:ISOファイルを選ぶ

左の「Flash from file」ボタンをクリックします。

ファイル選択ウィンドウが開くので、ダウンロードしたUbuntuのISOファイルを選んで 「開く」をクリックしてください。

読み込まれると、ボタンの下にファイル名とサイズが表示されます。 ファイル名に「ubuntu」「24.04」という文字が入っているか確認しましょう。

手順③:USBメモリを選ぶ

中央の「Select target」ボタンをクリックします。

接続されているUSBメモリの一覧が表示されるので、 使うUSBメモリを選んでチェックを入れ「Select」をクリックしてください。

この画面で選んだUSBメモリの中身は完全に消えます。 ドライブ名と容量を確認してから選んでください。

複数のUSBメモリが接続されている場合は、 使う1本だけを差してから操作するとミスを防ぎやすくなります。

手順④:書き込みを開始する

右の「Flash!」ボタンをクリックします。

確認ウィンドウが出た場合は「はい」を選んでください。書き込みが始まります。

プログレスバー(進行状況を示すバー)が100%になった後、 自動的に「検証(Validation)」が実行されます。これも終わるまでそのままにしてください。

「Flash Complete!」と表示されれば完成です。

完成後はUSBメモリを安全に取り外してから抜きましょう (タスクバー右端の「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」から操作します)。


RufusとbalenaEtcher、どちらを選ぶべきか

なぜ両方の名前が出てくるのか

「Ubuntu USBブートメディア 作り方」と検索すると、 RufusとbalenaEtcherの両方の記事が出てきます。

Rufus(ルーファス)はWindows向けに広く使われているUSBブートメディア作成ソフトで、 balenaEtcherはWindows・Mac・Linuxのどれでも使えるソフトです。 どちらもUbuntuのUSBブートメディアを作れます。

後から考えれば「どちらでもよかった」という話なのですが、 当時は判断できず、1時間近く使ってしまいました。

初心者にbalenaEtcherをすすめる理由

迷うくらいなら、最初はbalenaEtcherを選んでください。理由は2つあります。

理由①:画面がシンプルで迷いにくい

balenaEtcherは「ファイルを選ぶ」「USBを選ぶ」「書き込む」の3ステップだけです。 Rufusは設定項目が多く、「パーティション構成」「ターゲットシステム」など 初心者には判断しにくい選択肢が出てきます。これが混乱の原因になりやすいです。

理由②:Ubuntu公式でも紹介されている

Ubuntu公式ドキュメントでもbalenaEtcherが紹介されています。 初心者の方が選ぶ選択肢として、信頼できます。

書き込みに失敗した場合の対処法

「Flash Failed」や「Validation Failed」と表示された場合は以下を試してください。

  • USBメモリを差し直して再実行する 接触不良で失敗するケースがあります。別のUSBポートに差してから再試行してください

  • 別のUSBメモリを使う 品質の低いUSBメモリは書き込みエラーが起きやすいです

  • ISOファイルを再ダウンロードする ダウンロード途中で通信が切れてファイルが壊れているケースがあります


作成後の確認方法

Windowsで開こうとすると「フォーマットしますか?」と出る場合

書き込みが完了すると、WindowsはUSBメモリを「認識できないドライブ」として 扱うことがあります。

「フォーマットしますか?」と聞いてくることもありますが、絶対にフォーマットしないでください。

これは正常な状態です。UbuntuのファイルシステムはWindowsが標準では読めない形式のため、 こうなります。balenaEtcherで「Flash Complete!」と表示されていれば、書き込みは完了しています。

次のステップ:BIOSの設定が必要

USBブートメディアが完成したら、次はPCの起動設定を変える必要があります。

通常はWindowsが起動するように設定されているため、 USBメモリから起動するようにBIOS(バイオス:PC起動時の基本設定を行う画面)で 切り替える作業が必要です。次の記事でその手順を解説します。


まとめ

  • USBブートメディアとは「Ubuntuを起動するための準備をしたUSBメモリ」のことです
  • 作成には「ISOファイル」「USBメモリ(8GB以上)」「balenaEtcher」の3つが必要です
  • balenaEtcherは画面がシンプルで、初心者にはRufusより迷いにくいです
  • 「フォーマットしますか?」が出ても正常。絶対にフォーマットしないでください
  • 次のステップはBIOSの設定変更です

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